カネナイ・デ・スーザ– Author –
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風の骨の坂
――この町の夏は、耳鳴りみたいに続く。 一学期の終わり、蝉がいっせいに鳴き出した頃、僕らは四人になった。水守秋良(みずもり・あきら)、早瀬真帆(はやせ・まほ)、風間透(かざま・とおる)、そして――相河灯子(あいかわ・とうこ)。灯子は夏休み中に... -
自転車もないのに駐輪場を契約しそうになっている話
自転車がないのに、駐輪場を契約しそうになっている ポストに一通の封筒が届いていた。中には、近所の駐輪場の「契約申込書」。ああ、やっと順番が回ってきたんだなと、思わず声が漏れた。 実は一年前、ネット経由で「空き待ち登録」だけしていた駐輪場が... -
やばい、やばい、って言いながら朝が終わった話
三十分だけのつもりが、目覚めたら1時間半だった話 今日は朝から気合い入れて動く予定だった。前日にスケジュールを立てて、「午前中にひとつ仕上げる」「午後はタスクを刻んでやる」って決めてた。だからこそ、朝は早めに起きて、軽くごはん食べて、PCの... -
“とりあえずブログ”の“とりあえず”って何?
「とりあえず」で始めたブログの話 「生活が詰んできたのでブログを始めました」。そう言うと、だいたい反応は二つに分かれる。「え、そんな理由で?」と苦笑する人と、「わかる」と頷いてくれる人。どちらにせよ、たいていはその“とりあえず”に含まれてる... -
生活が詰んできたのでブログ始めました
生活が詰んできたのでブログ始めました ― カードローンの審査に落ちた直後、遊びの誘いを断れなかった話 ― きっかけは軽いLINEの返事 先週末、いつもの仲間からLINEがきた。「今度さ、ちょっと遠出しない?車出すし」って。そのときはまだ、ギリ生活が回っ...
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